建築基準法改正は平成15年7月1日に施行されます。
シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため、建築物に使用する建材や換気設備を規制する法律です。対象には住宅、学校、オフィス、病院など、全ての建築物の居室となります。


日本の壁紙は、襖紙にその源を見つけることができると言われていますが、明治13年、大蔵省印刷局が「金唐革」と呼ばれる美術壁紙の製造をはじめたのが、日本における本格的な壁紙製造の始まりとされています。しかし、一般にはまだまだ使用されることはなく、その後民間に払下げられてからもヨーロッパなどへの輸出用として扱われました。その後、第一次世界大戦後の世界恐慌を経て、金唐革の輸出もふるわなくなり衰退していきましたが、明治宮殿・赤坂離宮のような宮廷建築に壁装裂地として使用されました。これらの建築は、わが国のその後の文化に大きな影響を与え、国会議事堂や御料車(天皇・皇后両陛下の乗られる列車)にも壁装材として織物が使用され、今日昭和新宮殿の中にある豊明殿にみられる壁装にその面影が見られます。壁紙が今日のように一般建築に盛んに使用されるようになったのは終戦後になってからで、昭和28年~29年頃(1953年~1954年頃)が始まりと言われています。
経済の復興に連れて、建築ブームと呼ばれるようになり、盛んに建築が行われました。建築に携わる設計事務所などが、外国の素材を参考にして新しい試みをした製品の中で、麻布や洋服の芯地等を壁に張ることが流行になりました。これは表装業者が原反を仕入れてきて、手で裏打ちをして現場で張っていたものです。その後ヘッシャンクロスの名前で発売され、大阪の北村商店さんが扱ってこれが大流行になり、カーテン生地、ビニルレザー等の生地を張ったり、さらに新しい素材を求めるようになったのです。当時のビニルクロスは、レザーを壁紙として施工していたので、技術的な面で施工が非常に難しいものでした。このように壁装材の需要が増大するにつれ、自家の手張りではとうてい間に合わなくなり、布を機械で効率よく裏打ちする必要が出てきました。織物に紙を裏打ちすることや、紙に寒冷紗を貼った襖紙と同じ方法です。
ビニルにいたっては、織物の壁紙に刺激され、当時は椅子貼り用のレザーの製造を行っていた業者がその設備を利用して、裏に紙を付けて壁紙の業界に進出して今日に至っています。


①ホルムアルデヒドに関する建材、換気設備の規制
 ・内装仕上げの制限
 ・換気設備の義務付け
 ・天井裏などの制限
②クロルピリホスの使用禁止


〔対策1〕内装仕上げの制限
 内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積制限をします。
〔対策2〕換気設備設置の義務付け
 原則として全ての建築物に機械換気設備の設置を義務付けます。
〔対策3〕天井裏などの制限
 内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積制限をします。


建築材料の区分 ホルムアルデヒドの発散 JIS、JASなどの表示記号 内装仕上げの制限
建築基準法の
規制対象外
放散速度
5μg/㎡h以下
F☆☆☆☆ 制限なしに使える
第3種ホルムアルデヒド
発散建築材料
5μg/㎡h
~20μg/㎡h
F☆☆☆ 使用面積が制限される
第2種ホルムアルデヒド
発散建築材料
20μg/㎡h
~120μg/㎡h
F☆☆
第1種ホルムアルデヒド
発散建築材料
120μg/㎡h超 旧E、Fc
又は表示なし
使用禁止
日本壁装協会「登録確認書」検索はこちら


居室の種類 換気回数
住宅等の居室 0.5回/h以上
上記以外の居室 0.3回/h以上


①建材による措置  天井裏などに第1種、第2種のホルムアルデヒド発散材料を使用しない。
 F☆☆☆以上とする。
②気密層、通気止めによる措置  気密層又は通気止めを設けて天井裏などと居室を区画する。
③換気設備による措置  換気設備を居室に加えて天井裏なども換気できるものとする。


項    目 規     定 適応試験箇所
退色性(号) 4以上 6.3.1
摩擦磨耗性(級) 乾燥摩擦 4以上 6.3.2
湿潤摩擦 4以上
隠ぺい性 3以上 6.3.3
施工性 浮きはがれがあってはならない 6.3.4
湿潤強度N/1.5cm 5.0以上 6.3.5
ホルムアルデヒド放散量mg/L 0.2以上 6.3.6
硫化汚染性(級) 4以上 6.3.7
新JIS規格の改正項目
 ホルムアルデヒドの放散量が・・・・・・
    旧JIS規格--------0.5mg/L
    新JIS規格--------0.2mg/L
※これは、国土交通省提示の5μg/㎡hと同レベルです。(規制対象外扱いとなります)


新築やリフォームした住宅にした人の、目がチカチカする、喉が痛い、めまいや吐き気、頭痛がする、などの「シックハウス症候群」が問題になっています。その原因の一部は、建材や家具、日用品などから発散するホルムアルデヒドやVOC(トルエン・キシレン、その他)などの揮発性の有機化合物と考えられています。「シックハウス症候群」についてはまだ解明されていない部分もありますが、化学物質の濃度の高い空間に長期間暮らしていると健康に有害な影響が出るおそれがあります。


①住宅に使用されている建材、家具、日用品などから様々な化学物質が発散。
②住宅の気密性が高くなった。
③ライフスタイルが変化し換気が不足がちになった。


化 学 物 質 指針値※ 主 な 用 途














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 ①ホルムアルデヒド 0.08ppm ・合板、パーティクルボード、壁紙用接着剤等に用いられる
 ユリア系、メラミン系、フェノール系等の合成樹脂、接着剤
・一部ののり等の防腐剤
 ②アセトアルデヒド 0.03ppm  ホルムアルデヒド同様一部の接着剤、防腐剤等
 ③トルエン 0.07ppm  内装材等の施工用接着剤、塗料等
 ④キシレン 0.20ppm  内装材等の施工用接着剤、塗料等
 ⑤エチルベンゼン 0.88ppm  内装材等の施工用接着剤、塗料等
 ⑥スチレン 0.05ppm  ポリスチレン樹脂等を使用した断熱材等
 ⑦パラジクロロベンゼン 0.04ppm  衣類の防虫剤、トイレの芳香剤等
 ⑧テトラデカン 0.04ppm  灯油、塗料等の溶剤#d0ffff
 ⑨クロルピリホス 0.07ppb
(小児の場合0.007ppb)
 しろあり駆除剤
 ⑩フェノブカルブ 3.8ppb  しろあり駆除剤
 ⑪ダイアジノン 0.02ppb  殺虫剤
 ⑫フタル酸ジ-n-ブチル 0.02ppb  塗料、接着剤等の可塑剤
 ⑬フタル酸-2-エチルヘキシル 7.6ppb  壁紙、床材等の可塑剤
※25℃の場合 ppm : 100万分の1の濃度、ppb : 10億分の1の濃度
 ①⑨は建築基準法の規制対象物質
 ①~⑥は住宅性能表示で濃度を測定できる6物質


①適切な換気を心がける。
24時間換気システムのスイッチは切らずに、常に運転するようにする。
新築やリフォーム当初は、室内の化学物質の発散が多いので、しばらくの間は、換気や通風を十分行うように心がける。
特に夏は化学物質の発散が増えるので室内が著しく高温高湿となる場合(温度28℃、相対湿度50%超が目安)には窓を閉め切らないようにする。
窓を開けて換気する場合には、複数の窓を開けて、汚染空気を排出するとともに新鮮な空気を室内に導入するようにする。
換気設備はフィルターの清掃など定期的に維持管理する。
②化学物質の発生源となるものをなるべく減らす。
新しい家具やカーテン、じゅうたんにも化学物質を発散するものがあるので注意が必要。
家具や床に塗るワックス類には、化学物質を発散するものがあるので注意が必要。
防虫剤、芳香剤、整髪料なども発生源となることがある。
室内でタバコを吸うことは避けたほうが望ましい。
開放型ストーブ、排気を室内に出す暖房器具(ファンヒーター等)の使用は避け、廃棄を外部に出すもの(FFストーブ等)室内空気の汚染が少ない暖房器具を使用することが望ましい。
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